水俣には「逆境を逆手に取る人々」が居ます。農業にも水産業にも、まちづくりにも。そんな中でも「村丸ごと生活博物館」はたいへんユニークなものです。 いまや、日本だけでなく、ベトナムなどにまで広がりを持ってきた「地元学」がその発端です。「地元学」は、吉本哲郎氏の提唱による「地域見直し」の考え方です。ここで、「地域活性化」などと書けば、「活性化って、何な?」と、吉本氏は突っ込んでくることでしょう。 学芸員は村の元気なおやじたち 「村丸ごと生活博物館」とは、何も無い、どこにでもある、親類しか来ない村を丸ごと「博物館」に見立てたものです。学芸員は村の元気なおやじたち。インストラクターは熟練の生活技術を持つ、おばさん、おじさんたち。レストランとなった地区の公民館には、シェフのお母さんたちが居ます。吉本氏の独創は「村の活性化」とは呼ばずに「村丸ごと生活博物館」と呼んだこと。村を案内すると、1人1000円を