突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の白木奈深。 臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。 それは、かつてこの眼が見てきた風景の「記憶」だった。 この記憶を元に菜深は、監禁された一人の少女の存在に気づいてしまった。 眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。 そして、悪夢のような事件に巻き込まれていく。 移植された臓器が疼くサスペンス小説。暗くて不気味な童話と共に物語は進んで行く。 「暗黒童話」のここが面白い 記憶と眼球を失った少女 奈深は交通事故によって「記憶」と「左眼」を失った。 かつては、生活態度も真面目で勉強も運動もできた優等生だったが、事故後は見る影もなくなり親にも他人のようだと言われてしまうほどの変わりようだった。 性格は暗くなり、友達の失う。 そして、事故後は空洞だった左眼の穴には他人の