アニメの殿堂って必要?--とも批判される国の「メディア芸術総合センター」(仮称)。海外で高い評価を受けるアニメやゲームの発信力を高める狙いだが、アニメ産業の空洞化が進み、日本アニメの土台はぐらつく。話題のセンターは、危機を救えるのか。【佐々木宏之】 「昨年から受注作品数も制作費も減った。30分のテレビ1話を約1800万円で請け負っていたが、今は1300万円程度」。そう漏らすのはアニメ制作会社「ゴンゾ」(東京都練馬区)の鷹木純一プロデューサー(35)。中小零細が多くを占める業界の苦境を肌で感じている。 絵の細密化で手描きの手間が増えたのに、人件費はそのまま。鷹木さんは「体力のない会社は去年からどんどんつぶれています」と証言する。制作担当の佐野真司さん(30)は言う。「センターを作るお金があれば、アニメ業界の再編に使い国家産業として育ててほしい」 05~06年をピークに日本アニメの市場規模は減