尖閣諸島の地方自治体もしくは国による保有という問題は、石原知事が言い出した背景には、新党問題が話題になる中での国内政治があるのでしょう。また、どうして今のこのタイミングで議論を出してきたのか、という点に関しては、重慶市の薄熙来書記の失脚で浮かび上がった中国共産党内の政争という背景があると思われます。 政争が顕在化する中で、胡錦濤政権からこうした軍事外交上の問題に関しても、意見のズレが透けて見えるのかどうかは、日本だけでなくアメリカも重大な関心を持っていると考えられるからです。それはともかく、この機会にこの「尖閣」をめぐる「方程式」について確認しておきたいと思います。 (1)今回の報道で気になるのは、尖閣に関する領有権の主張が「中国と台湾」からされているという言い方です。この問題に関しては、中国と台湾を「同じように争っている敵」というイメージを強めるのは得策ではないように思います。あくまでも