いつも人で溢れかえる土日の新宿駅。人と人と人の合間をなんとかすり抜け、JR東南口を出て、いつもの「タイムス」に早足で向かう。ちょっと薄暗くて古めかしいお店。決して席が広いわけではなし、静かというわけでもないのになぜか落ちつくことができるので気に入っているお店の一つ。昭和な空気が流れている店内で、読みかけていた池波正太郎の「散歩のとき何か食べたくなって」の京都・南座界隈の章を開きながら、席まで運ばれたシンプルなピラフを食べる。特別なところのない、この普通なピラフとやけに深い緑色のメロンクリームソーダが好きで、いつも注文する。メロンクリームソーダのアイスクリームは、どのタイミングで食べれば良いのかいつも迷っているうちに最後になってしまう。 散歩のとき何か食べたくなって (新潮文庫) 作者: 池波正太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1981/10/27 メディア: 文庫 購入: 4人