わたしの精神状態には波があって、その波は不定期によく荒れる。 人間関係や、仕事の進捗具合によるもの。気圧、季節の変わり目や、単純に体調不良によるもの。 大小さまざまな要因により、わたしの精神状態は簡単に乱れる。 毎年、3月から4月は特にひどくて手に負えない。 わたしは四季がすべて苦手なのだけど(嫌いなわけではなく苦手なのだ)、特に春が苦手だ。 妙に浮き足立つ年度切り替え、おびただしく咲く桜の花、突然現れる虫たち、暖かくなり膨張するような空気、明るく薄くなる人々の装い。 その急な変化にどうも耐えられなくて、いつも暗澹とした気持ちになる。 このあいだ柳下さんから電話がかかってきて、 「また、君の苦手とする春が来たね」 と言われた。 それは気が塞いでしかたのない午後だった。 「そうだね」 と答えたわたしの声は、自分でもわかるほどに弱々しく、弱々しさを隠そうとしてもはや震えている。 何があったわけ
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