国土交通省に殴り込み!? いつになく、思い詰めた語り口で始まる新連載。 建築家 馬場正尊が、法律や制度と、現実との間に潜むひずみを体当たりでレポート。建物から街、そして公共空間まで。楽しく、有効に生かすための規制緩和について考えていきます。 僕が「国土交通省に殴り込みに行かなければならない」、と思うまで追い詰められたのにはそれなりの理由がある。 リノベーションをやっていると、たくさんの法的な壁にぶち当たる。日本はずっと新築至上主義だったので、リノベーションが立法の前提になっていなかった。それは人口が急増し、とにかく建物を建てて都市を拡大させなければならなかった時代につくられた法律たちなので、無理もない。 でも今や、日本の状況は変化し、既存建築を利用せざるを得ない時代に突入している。現実とルールとの間に、ギャップが生じているのだ。にもかかわらず、規制緩和はなかなか進まない。僕らは日々悶々とし