2025年に日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催を控えている。万博は世界各国の新技術と文化の見本市であると同時に、クリスタルパレス、エッフェル塔、ジオデシック・ドーム、メタボリズムなど、各時代における最先端の建築の考えが提示されてきた歴史がある。加えて、開催期間が限られることもあり、そのほとんどが必然的にテンポラリーとなり、閉幕後に転用されたものも多い。近年、グローバル化と共に、限られた資源の扱いや環境保全が問題視され、持続可能な社会という考えに人びとの意識が大きくシフトしてきている。ものを長く大切に使い続けることももちろん大切だが、移設、転用、改変といった、その時々の状況に合わせて場所や機能、かたちを流転させることもひとつの持続可能性のあり方だろう。現に日本では、伊勢神宮が式年遷宮により20年ごとに建て替えられ続けたり、藤原京から平城京への遷都の際に建築部材の再利用が行われたりと、古く