原発事故後初の福島県知事選。県政の継承を掲げた前副知事が勝ったとはいえ、各党相乗りにより「脱原発」という重要な争点がぼやけてしまった。有権者から選択肢を奪った各党の責任は重い。 六人の立候補は福島県知事選では過去最多だが、論戦は盛り上がりを欠いた。国政では激しく角突き合わす自民、民主両党が相乗りしたためにほかならない。 初当選した内堀雅雄氏(50)は、民主党参院議員から転じた佐藤雄平現知事の下、副知事を務めた。三選立候補を見送った佐藤氏から事実上、後継の候補に指名され、民主、社民両党がまず支援を決め、自民党が相乗りした。