ネルフと碇指令は、英国の特撮TVドラマ「謎の円盤UFO」に登場したSHADOとストレイカー最高司令官のイメージが反映されている。「謎の円盤UFO」には「シャドーはこうして生まれた」という話があり、それはストレイカー司令官の回想のかたちでSHADO設立の頃が語られたエピソードだ。「第弐拾壱話 ネルフ、誕生」は、いわば「シャドーはこうして生まれた」に相当する話だ。 ここから『エヴァ』は第4部に突入。よりハードな、そして、キャラクターの内面に入り込んだドラマが展開される。第弐拾壱話では、現在と交錯するかたちでゲンドウ、冬月、ユイ、赤木ナオコ、そして、ミサトやリツコの過去が描かれる。描かれているのは「情念」であり「生々しさ」なのだが、筆致はひどくクール。そのギャップがよい。第伍話、第拾伍話に続く、薩川昭夫、甚目喜一、鈴木俊二トリオが手がけたエピソード。恐らく薩川さんの持ち味が、最も色濃く出た話であ