それは「あの時代」に比肩する困難を再び「この時代」が現実とした抱えたということでもあるのだが、そのことをどれだけの日本人が認識しているかが最初のゴジラとの(動員の)違いとなって現れるのかもしれない。(初動は好調とのことで、まずは一安心) 「シン・ゴジラ」は、これまでのゴジラの継続と積み重ねの上にはない。それに寄らずとも、ここから始めて新たな世代の伝説のスタートと成り得る作品であり、それが出来たのは、第一には取りも直さず庵野秀明監督の才能あってのことだが、ゴジラがスターとしての地位を失い、一からやり直すしかないことを東宝が自覚していたということでもあるだろう。逆に言えば、死に体だったゴジラの奇跡の復活であり、庵野・樋口両監督には感謝と称賛の言葉しかない。