風疹の流行拡大が止まらない。10月7日までに報告された今年の累計患者数は、過去5年間では初めて1000人を超え、昨年1年間のおよそ12倍、1103人にのぼった。専門家は「年間1万4000人を超えた2013年の流行前の状況と似ている」と指摘し、過去風疹になったことがなく、1歳以上で2回の予防接種歴がない場合、妊娠20週ごろまでの女性は外出を控え、それ以外の人は予防接種を受けるよう呼びかけている。また、「自分は子どものころ感染したと親に聞いたから大丈夫」という人も、要注意だ。「感染したことがある」と答えた人の半数以上が、実際には感染していなかったことを示す調査結果があるからだ。風疹予防について、国立感染症研究所の多屋馨子(たや・けいこ)・感染症疫学センター室長に聞いた。【毎日新聞医療プレミア・中村好見】 ◇「風疹にかかったことがある」と答えた人の半分以上に抗体なし 調査は、兵庫県内のある中学校