ジョーカーが、高笑いを続けている。鬱積されたものが爆発する、あの笑いではなく、誇らしげな、勝利の笑いだ。 全世界公開から40日以上経つ今も、映画『ジョーカー』は、ほぼすべての国でトップ10圏内に君臨し続けている。今週月曜日の段階で、世界興収は9億8500万ドル。数日以内に10億ドルを超える見込みだ。R指定作品がこの大台を超えるのは、初めてのことである。 特筆すべきは、今年10億ドルに達した6本の映画(『アベンジャーズ/エンドゲーム』『ライオン・キング』『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』『キャプテン・マーベル』『トイ・ストーリー4』『アラジン』)が1億6000万ドル以上の予算を与えられた超大作に対し、『ジョーカー』の製作費は3分の1近い6000万ドル弱にすぎない。 つまり、利益率において、今作はダントツに高いのである。しかも、ほかの6作品と違い、世界第二の映画市場である中国で公開され