ただし、そのような動きに出ようとした際、端株になってしまう株主は、先に市場で売却して換金化を急ぐであろう。そうすると売り圧力により株価は下がる。また、株式併合には株主総会の承認が必要であるため、すんなりと承認を得られるかは分からない。もし、株式併合がうまく行ったとしても、企業の実態は変わらないわけであり、放っておくとまた株価は10円を目指して下落していくことになるだろう。 したがって、この株価基準は、理論的には回避しうるが、現実としては回避しきるのは難しいと思われる。もっとも、今の新興市場銘柄を眺めてみても、株価が10円を切っている銘柄は多くないため、果たして10円という基準値が適切かどうかに関しては議論の余地もあるだろう。 少し古いが、2000年から2003年10月までの倒産企業の直前株価を調べた帝国データバンクの調査によると、倒産企業の直前の株価の平均は105円であり、50円を割っ