さまざまな事情により産みの親のもとで育てられない子どもを引き取り、自分の子どもとして育てる特別養子縁組という制度がある。2017年、政府は特別養子縁組を年間1000件成立させる目標を立てた。だが血縁を重視する日本社会において、特別養子縁組をした家族の実態はなかなか見えてこない。今回、特別養子縁組をした2家族のストーリーを追った。(写真・文=長谷川美祈/Yahoo!ニュース 特集編集部)
名門校出身者たちを目の当たりにして 教育と格差の問題といえば、しばしば話題にのぼるのが東大生の親の年収である。2014年の調査によれば、東大生の育った家庭の半数強が、年収950万円以上の比較的裕福な家庭だという。 ここで問題視されているのは、階級の固定化である。つまり、裕福な家庭は多額の教育費を支払うことができるので、子供は高学歴化する傾向にある。学歴と収入は比例することが多い。結果的に、金持ちの家系はいつまでも金持ちだし、逆に貧乏人はいつまでも貧乏から抜け出せない――という問題だ。 だが、こうした問題提起に出くわすたび、いつも「ある視点」が欠けていると私は感じる。それは都市と地方の格差、地域格差である。 田舎者は、田舎に住んでいるというだけで、想像以上のハンディを背負わされている。 あらかじめ、どんな地域で育ったどんな人物がこの記事を書いているのか、簡単に紹介しておこう。 私は高校時代ま
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