主体的思考の欠如が招く不幸 / 記事一覧 内田樹氏の「下流志向、学ばない子供たち、働かない若者たち」(講談社)に、女子大(神戸女学院大学)で生徒がよく読んでいるファション雑誌の一ページをコピーして配り、意味の分からない言葉にマーカーで印を付けさせたら、マーカーだらけになったというエピソードが書かれている。自分が理解できない事柄を理解せずに放置し、世の中が意味の分からないもので溢れていても気に掛からないということらしい。彼女たちは、穴あきチーズのように欠損した世界を見ていることになる。薄々感じていた危惧が現実化していることに衝撃を受けた。 インターネットなどのテクノロジーにより、我々が接することのできる情報量は飛躍的に増大している。情報機器の記憶容量の増大から、保存していつでも取り出せる情報量も飛躍的に増大した。 しかし、我々はそういった情報について主体的に考え、批判したり、自分の道具と