2月27日、安倍晋三首相は、新型コロナウイルス感染症対策のためとして、全国の小中高校に対して、3月2日からの臨時休校を要請した。この決断は唐突に行われたもので、与党議員ですら、その多くが事前に知らされてはいなかったという。 学校や教育委員会も寝耳に水であった。まして現場の教員たちは、その日の夜、ネットやテレビのニュースで初めて知るといった有様であった。ただでさえ学期末で成績評価や行事などが立て込んでいるこの時期のことである。テストはどうなるのか。卒業式はどうなるのか。学校は短期間に判断を迫られることになり、各地で混乱が起こった。 問題は山積みである。たとえば非常勤の教員の給与保障はどうなるのか。非常勤の教員はコマあたりで給与が支給されるため、学校が休業するとなると生計が成り立たなくなってしまう。すでに発注してしまった分の給食の食材はどうなるのか。大量の牛乳は廃棄するしかないのか。給食がなく