「コンビニからエロ本がなくなる日」。こんな特集を組んだ雑誌の創刊号が発売されたのは、今からちょうど1年前、2019年5月のことである。この号は増刷され、独立系出版社としては異例の5000部を売った。 それから6カ月後、今度は小説家の山内マリコ氏と、柚木麻子氏責任編集であの元祖フェミニスト、元法政大学教授の田嶋陽子氏を大特集した号を発売。こちらも増刷後、5000部を売り切った。 読者は少なくとも4000人はいると思った 仕掛けているのはフェミニズム専門誌『エトセトラ』を発行するエトセトラブックスだ。5月と11月、年間2回発行する同誌の最新号は、美容ライター長田杏奈氏による責任編集で、「私の私による私のための身体」と題して女性の体に焦点を当てた。 2018年12月に同社を設立した松尾亜紀子社長は、「前の職場の河出書房新社で編集担当したフェミズム系の書籍は、だいたい4000部売れていたので、読者