G・K・チェスタトンの『ブラウン神父の秘密』(The Secret Of Father Brown)を久しぶりに読み返した(他の短編も読み返そうと思う、何しろブラウン神父ものってミステリに興味を覚えたほとんど最初期に読んだものだし、したがってほとんど内容を忘れているし、それに今読んだら以前は「なんだ、これ?」──例えば『見えない男』とか──と思った作品も「犯人探し」以外のレベルでかなり興味を惹きそうだし)。 ストーリーは──以前読んだらまさしく「なんだ、これ?」というもので、つまり何も「事件」が起こらない──犯罪人=探偵だったフランボウに招かれてブラウン神父はスペインの小さな城へ。そこで威風堂々としたアメリカ人観光客チェイス氏に遭遇、様々な難事件を解決した神父への質問攻めが始める──ルコック、シャーロック・ホームズ、ニコラス・カーターらの仕事と比べて、ブラウン神父の探偵としての方法論はいか