横浜地裁小田原支部で8日始まった殺人未遂事件の裁判員裁判で、男性裁判員が証人に質問する際に自分の姓を名乗り、山田和則裁判長に制止される場面があった。裁判員法は裁判員保護などのため、氏名や住所などの個人情報を公にすることを禁じており、名前が法廷で明らかになるのは極めて異例。 質問の前に、男性裁判員は名乗ることが必要かどうかという趣旨を山田裁判長に尋ねた。山田裁判長は不要という意味で「いいです」と答えたが、男性裁判員は名乗っても構わないと勘違いしたとみられる。 裁判は、神奈川県小田原市で6月、友人の店員を包丁で刺したとして殺人未遂罪などに問われた同県伊勢原市下糟屋の大工、臼井一城被告(35)の初公判で、被害者が証人として出廷していた。【澤晴夫】