1.『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)アメリカ ポール・トーマス・アンダーソン監督 21世紀版『市民ケーン』ともいわれる傑作映画の舞台は、20世紀初頭のカルフォルニア。石油採掘によるアメリカンドリームを叶え、そして破滅していく男の人生を描いた骨太の社会派ドラマ。 ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、荒野の真ん中にあるサンデー牧場の地下に油脈があるという情報を得て、その土地を買い取り油田を掘り当てる。だが、その油田の大事故で幼い息子は聴力を失う。その後も事業は拡大し、大きな富と権力を手にするが、人を嫌い、憎み、怒りに満ちたプレイビューは孤立していく──。 地下から吹き出る真っ黒な石油のような男たちの欲望のぶつかり合い、その緊張感をさらに高めるのが、まるで心臓の鼓動に合わせたような素晴らしい音楽だ。 先日俳優業からの引退を宣言したダニエル・デイ=ルイスは、圧倒的な貫
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