父が鷹狩に行こうというので興味をもった私はほいほいとついていった。 行ったところはとある国定公園の山林で、とんでもない山奥だった。 ここで鷹狩をするという。 迷彩のテントを貼り、そこに双眼鏡を備えじっと待った。 そのうち、目の前の古木の松に鷹がやってきた。 父が言うにはオオタカだという。 「3ヵ月前から狙っていた」と父は嬉しそうに言った。 しばらくすると父は山林従事者が枝打ちをする時につかうという 灰色の革手袋をつけ、はしごを松の木にかけ、おもむろに登り始めた。 たまらず、オオタカがぎゃーぎゃーと泣き叫び威嚇した。 そこの巣にひながいることはわたしにもわかった。 父は動ぜず木にのぼりきり、巣にいたひなを二匹捕まえするすると降りてもどってきた。 「労せず捉えられたな」父が誇らしげに言った。
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