飛べないテントウムシを人工的に作り出すことに名古屋大学の研究グループが成功した。羽の形成に必要なたんぱく質を作れないようにしたもので、飛べないことを除けば正常なテントウムシ。遺伝子組み換え技術を使っていないため、生態系へ与える危険もないという。21日付の英昆虫科学専門誌「インセクト・モレキュラー・バイオロジー」に発表した。 様々な農作物の害虫アブラムシを食べるテントウムシは、化学農薬に代わる存在として期待が大きい。ただ屋外の畑では飛んで逃げてしまうため、「生物農薬」としては安定性が課題だった。 名大生命農学研究科の新美輝幸助教と修士課程2年の大出高弘さんはまず、テントウムシの羽の形成に必要な遺伝子(ベスティジアル遺伝子)の特定に成功した。ショウジョウバエのベスティジアル遺伝子は91年に特定されたが、ほかの昆虫の特定には時間がかかっていた。 新美さんらはさらに、RNA干渉という手法で、