愛知県岩倉市で昨年7月、母子2人が死亡、6人が負傷した玉突き事故で、名古屋地検一宮支部は28日、自動車運転過失致死傷容疑で送検された同県江南市の男性(79)を、持病のてんかんの認識がなかったとして嫌疑不十分で不起訴とした。 同支部は「症状を認識しておらず、事故の予見可能性があったとはいえない」と説明。捜査関係者によると、捜査の過程で持病が判明した。同支部などによると、男性は昨年7月10日、乗用車を運転中、信号待ちの車に追突。そのまま前方に停車していた江南市の主婦、松原国代さん=当時(39)=と長男で小学4年、優希君=同(9)=が乗った軽乗用車に突っ込み、2人を死亡させたとして現行犯逮捕された。その後、処分保留で釈放されていた。 男性は捜査段階で「事故当時の記憶がない」と供述。1台目に追突してから2台目に衝突するまで数十メートルの間にブレーキの痕はなかった。