“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。 中学受験はお金の話とセットで語られることが多い。私立中高一貫校の場合、6年間の学費は600万円超と言われ、また受験対策のための塾代が小学4〜6年生までの3年間で、200〜250万円程度になることが普通。さらに「合格切符のためなら何でもする!」とばかりに、塾のほかにプロ家庭教師を頼む家庭も別に珍しいことではなく、とにかく中学受験にはお金がかかるのである。 こうなると、そもそも中学受験は、私立中高6年間の学費を払える裕福なご家庭のするもの、また、高額な塾代や家庭教師代にお金を回せる財力が「合格」を左右す