はじめにこのテキストでは、主にクリミア戦争に従軍したナイチンゲールが直面した人事問題(彼女の人事権の及ぶ範囲について)を考察する。 現代的な要素でシンプルに整理すれば、次のように言えるかもしれない。 上司の問題 事前情報・相談なき仕事の押し付け 急に短納期の仕事を振る 人事権が曖昧な状況を作る 部下の問題 本人が採用していない部下の統率 宗教上の問題による対立の構図 厳しすぎるマイクロマネジメントと反発 誹謗中傷 職場の同僚との関係 異なる指揮系統・職種(軍医たち)との軋轢 人事権を巡る闘争 一緒に仕事をして壊れる友情 このような人事上の問題は、ナイチンゲールが率いた看護師団という足元のものから、当時の宗教事情という形がないもの、そしてクリミア戦争の医療責任者たる軍医長官ジョン・ホールの間のものまで様々な範囲に及んだ。 最大の壁となったホールとの戦いの様子を、独自の解釈で鮮やかに描いた作品
![ナイチンゲールを苦しめたクリミア戦争の人事問題 上司・部下・同僚の観点で|久我真樹](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bc30db729412479ae0935c49f51514cf71b49ace/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F109156333%2Frectangle_large_type_2_8a180b411e3a07102b9392a711eb3e0a.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)