岡山理科大(岡山市北区)などの研究グループは、胃薬を飲めばうつ病のような症状が改善することをマウスの実験で突き止めたと発表した。今後、うつ病患者を対象にした治験を実施して、人にどの程度の効果があるか確認する。研究成果は1日、米科学振興協会の電子版科学誌に掲載された。 中心となって研究を進めた同大理学部の橋川直也講師(分子生物学)によると、胃薬は「テプレノン」。細胞がストレスにさらされて傷付いた際に生成され、細胞を保護する役割を持つ「熱ショックたんぱく質(HSP)」の発現を促進させる効果を持っている。HSPがうつ病の発症や症状に関わっていることも今回の研究で判明した。 研究グループは、縄張り意識が強い大きなマウスがいるケージに小さいマウスを入れ、攻撃されるなどしてストレスがかかってうつ病のような状態になった小さいマウスの脳内を解析した。その結果、記憶や学習能力をつかさどる「海馬」のHSP発現