(ネタバレあり) ──自伝的な物語なのですか? 監督:自分自身を反映した作品を作りたかった。ただの音楽の物語にはしたくなかったんだ。映画では基本的に、僕が主人公の年頃にやりたかったけれどできなかった全てのことを映画の中で実現した願望充足の映画なんだ。 ”Drive It Like You Stole It”のMV撮影シーンで、コナー(フェルディア・ウォルシュ・ピーロ)は「やりたかったけれどできなかった全てのこと」を妄想する。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(ロバート・ゼメキス)でのプロムのシーンのような、そこにラフィナ(ルーシー・ボイントン)も現れて……しかし一方で、そこで撮影されたであろう、やりたかったことができなかった、ラフィナの現れないMV、つまり思うようにはいかない現実は、我々観客の目からは奪われている。 その理想と現実の距離があるから(しかもその一方の現実は観客が推しはかるしか