栃木市民の知の拠点をめざし、同市図書館(旭町)が、四月の民営化で生まれ変わる。地元の特定非営利活動法人(NPO法人)が図書館運営のノウハウを持つ業者と共同事業体としてタッグを組んだ全国に例のない試み。図書購入費を一・六倍にし、高齢者・障害者宅への本配達、文化活動拠点の提供、開館時間延長など魅力的なサービスがめじろ押しだ。 「利益を追求する民間業者と(民間)非営利団体が協力する例は全国的にも類を見ない」と胸を張るのは、運営の中核となるNPO法人「山本有三記念会」の三室忠央事務局長。同会はボランティアで山本有三ふるさと記念館(万町)を運営しており、新たな挑戦に情熱をみせる。 プロポーザル方式で七倍の難関を勝ち抜いた。全国規模で図書館運営の実績がある大新東ヒューマンサービス、資料提供を担う紀伊国屋書店と共同事業体を組んだことで、市が求めた「安定的経営」「図書館運営経験」の壁をクリアした。県内では