「週刊新潮」の表紙絵を長年描いた画家、谷内六郎氏(1921~81年)の遺族が26日、神奈川県横須賀市に寄贈した表紙絵原画など約5500点の返還などを求め、横浜地裁に提訴した。作品は現在、横須賀美術館併設の「谷内六郎館」に展示されている。 訴状によると、谷内氏の妻は98年1月、表紙絵原画などを市に寄贈。その際▽長女を作品の管理などに関する助言指導をする専門委員(後にアドバイザー)に委嘱する▽報酬は毎月22万8700円▽委嘱は1年更新で最長25年以内--などとする覚書を交わした。 だが、昨年初当選した吉田雄人市長が報酬打ち切りを表明、09年度限りでアドバイザー委嘱を終了した。妻は「長女が美術館運営に長期に関与することが贈与の条件だった」と主張。寄贈した全作品の返還を求めている。 吉田市長は「事実確認がとれていないのでコメントできない」との談話を発表した。【松倉佑輔】