久しぶりのメディアワークス文庫のラノベで、三秋縋さん初読でした。薄っぺらな純愛ものを予想(ごめんなさい)していましたが、いい意味で裏切られる、動揺を招くような斬新な恋物語でした。若さを失くした私へ〝恋心〟のXmasプレゼント? 潔癖症で失業中の青年・高坂賢吾(27歳)と視線恐怖症で不登校の少女・佐薙ひじり(17歳)。この二人が第三者を介して出逢い、少しずつ距離縮めながら時間・悩み・世界を共有していきます。 「動揺を招く」「斬新な」と上述した要因は、<寄生虫>という創作上の主題にあるのは間違いありません。この主題が最後まで貫かれます。 恋の感情は、互いの頭に住み着いた新種の<寄生虫>により作り出されたもので、操り人形の如く、この<寄生虫>が宿主の意思決定に影響を与えたり、行動傾向を変化させたりする、というのです。 突飛な印象ですが、二人が抱える生きづらさと共に、<寄生虫>の習性や耐性、感染等