しかし続編というものは、もしお伽噺の最後のページにつづく幸福な時代を描こうと試みるならば、それは必ず誤りである。 ――ピアズ・ポール・リード、古澤安二郎・訳『ベルリンで愛した女』 proxia.hateblo.jp もちろん、ぼくらも大人になったのだけれど。 あれから九年と八ヶ月が経った。 恥知らずな続編商法を宣言したCEOボブ・アイガーのことは忘れよう。いきなり辞めたジョン・ラセターのことも忘れよう。そのラセターの辞任で、急遽CCO*1を押しつけられてすぐコロナ禍に見舞われた挙句『ストレンジ・ワールド』と『ウィッシュ』の大不振の責任をひっかぶって飛ばされた哀れなジェニファー・リーの悲劇も忘れよう。「今」は2020年代でもはや甘美さを伴わず、きらめくのは思い出だけだ。 ここ十年のディズニーにおける最良の思い出は? そう、『ズートピア』だった。 もちろん、ズートピアとは政治的な物語であるのだ

