元大蔵省財務官で信金中央金庫(本店・東京都中央区)の中平幸典・前理事長(70)が、東京都新宿区富久町の自宅マンションから転落死していたことが、警視庁牛込署への取材でわかった。同署は自殺と事故の両面で調べている。 同署によると、23日午後2時前、同マンション(32階建て)の敷地内で中平さんが倒れているのを通行人が見つけ、119番通報した。中平さんは病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認されたという。 中平さんは63年に大蔵省(現財務省)に入り、93〜95年に通貨交渉の責任者である財務官を務めた。在任中は円が高騰し、日米欧の通貨当局でドル買いの協調介入を行うなどした。 退任後は山一証券経済研究所理事長などを経て、信金中金に移り、今年6月まで理事長を務めていた。信金中金は09年3月期に初めて連結純損失に転落。中平さんは「健康上の理由」として任期を1年残したまま理事長を退任し、その後は理事相