「ここは本当に研究所なのか?」──。目の前に広がる円形講義室の様子は、大学の授業風景そのもの。男性がスーツを着ていなければ、会社の中にいるとは思えない。記者は2018年10月末に、この不思議な場に潜入した。 ダイキン工業は2018年4月、淀川製作所(大阪府摂津市)にあるテクノロジー・イノベーションセンター内に「ダイキン情報技術大学」を開講した。通うのは、大学の開設と同時期に入社したばかりの新入社員351人のうち、理系出身者を中心に希望を募り、自ら手を挙げた100人。そのうち85%が大学院卒、男女比率は4:1だ。 「ダイキン情報技術大学」の授業風景。生徒は2018年4月の新入社員351人のうち、自ら希望した100人。2年間、現場には配属されず、大学通いに専念してAIやIoTを学ぶ。100人は全員が名札を着け、腕章をしている 彼ら彼女らは何と2年間、ダイキン情報技術大学の「生徒」に専念すること