大和証券は2024年5月24日、相場操縦などの不公正取引を監視するコンプライアンス業務で、2種類の人工知能(AI)を併用した審査を開始したと発表した。投資家層や、株式を高速に自動取り引きする高頻度取引(HFT)の拡大などを踏まえ、不公正取引の審査体制を強化する。 AIによる不公正取引の審査に向け、NECが開発したクラウドサービス「AI不正・リスク検知サービス for 証券」と大和総研が開発した「AI不公正取引検知モデル」を併用する。 前者では説明可能AIの一種である異種混合学習技術を用いる。全ての取引データを対象に不公正取引の可能性があるかどうかAIでスコアリングし、その判定理由と併せて出力する。大和証券は2023年3月に導入し売買審査業務に使用している。 後者は、大和証券の審査データやノウハウを基にしたAIモデルだ。不公正取引をより検知しやすくするためのデータ拡張として、同社の審査ノウハ