◆前回レポートでは、生成AIが労働市場に与えるメカニズムの整理と米国の研究や事例からの示唆についてまとめた。本レポートはそれに続く第二弾として、生成AIが日本の労働市場に与える影響を定量的かつ包括的に分析した。具体的には、職業ごとにタスクのうち生成AIが自動化可能な割合を示す「自動化対象率」を推計した。その結果、日本の就業者の約80%が何らかの形で生成AIの影響を受ける可能性があり、同様に約40%の就業者が仕事の半分以上を自動化できると推計された。 ◆職業別では、事務従事者や管理的職業従事者、専門的・技術的職業従事者などホワイトカラーの職種が、自動化の影響を強く受けるとの結果が得られた。他方で、運搬・清掃・包装等従事者や建設・採掘従事者などブルーカラーに分類される職業などへの影響は低かった。賃金別に見ると、高賃金の職種ほど自動化対象率が高い傾向が見られた。 ◆産業別では、情報通信業や金融業