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ブックマーク / yashio.hatenablog.com (7)

  • 差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお

    小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「

    差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお
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    sand_land 2024/04/22
  • 自分自身をニュースサイトにしない - やしお

    SNSでもブログでも、時事的な事柄・ホットな話題への反射的な言及が自分自身では減ったと感じている。気を付けてそうしているというより、そうすると自分が嫌になる・苦しくなる、という心理的なハードルが上がって勝手にやらなくなってきている。 この「気分」は個人的なものだけでなく、全体の風潮の影響も受けていて、一定の一般性があり得るかもしれない。現時点で「どういう気持ちがあるのか」を書き残すといいかもと思ってメモ。 炎上加担の功罪 「ホットな話題への言及」には利点/欠点の両面がある。 「不正義・不条理で苦しめられた」などの案件が、炎上で是正されるケースもよくある。 企業・行政vs個人で、昔なら個人が一方的に不利益を押し付けられて終わりのケースで、個人が救われたりする。 一方で「実は不正義じゃなかった」案件の炎上に参加して、意図せず加害行為に加担してしまうケースもあり得る。 例えば、草津町議が町長から

    自分自身をニュースサイトにしない - やしお
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    sand_land 2022/05/01
  • クリエイターに編集や校正の技術が必須の時代 - やしお

    ここ最近で、平田オリザやソフトバンク新入社員が叩かれたり、あるいはナイナイ岡村への矢部の公開説教が批判されたりするのを見かけた。論旨そのものはおかしくなくても、細部や印象で違和感を持たれると叩かれてしまう。 それを防ぐには、先回りして叩かれポイントを潰しておけばいいのだけど、それは作家的な能力(コンテンツのクリエーション)というよりたぶん編集や校正(校閲)に近い技術になっている。それはネットが出てきて、さらに人口が増えて言論空間の距離(射程)が変わったせいで、作家的な能力と編集・校正技術の両方が(今まで以上に)個人の中に必要になってきていて、でも旧来の言論空間の距離感に慣れた人や、新規参入した人の中には、戸惑っている人もいるんだろうな、みたいなことを考えていた。 劇作家の平田オリザが、新型コロナウイルス対応にまつわる演劇界の苦境を訴えた際に、製造業その他産業を雑に引き合いに出したために炎上

    クリエイターに編集や校正の技術が必須の時代 - やしお
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    sand_land 2020/05/13
  • 改革者は仲間の顔をして潜伏する - やしお

    PTA活動を改善させようと思って広報部長(中学1年)に立候補してみたら周囲から罵倒された上、部長を降ろされてしまった。改善を提案しても同調する者はなく、周りは「くじ引きで仕方なく引き受けた人を周りが支えるのが筋である」「立候補するような人は認められない」と言う。そんな理不尽な一連のツイートを見た。 結論から申し上げますと、私は中学校PTAの広報委員長(広報部長)にはなれませんでした。大まかに言うと予想通りの展開でしたが、想像を遥かに超えるほどひどい展開になりました。 https://t.co/Um71byVutC— 高川朋子 (@darkmatter_tomo) 2020年1月22日 この話を読んだ時、徳川吉宗が、自分を将軍に取り立てた恩人がみんな死ぬまで改革を進めなかったって話を思い出した。吉宗は「享保の改革」で有名だけど、家出身でもなければ長男ですらなく(紀伊徳川家の四男)来は将軍

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    sand_land 2020/01/24
  • 誰かを貶める笑い - やしお

    新しく始まったアニメ「アフリカのサラリーマン」の第1話をこの前見て、「誰かを貶めることで発生する笑い」みたいなのはもう、見るのがしんどいなと思った。 二足歩行の動物たちのコメディで、電車で通勤していたサラリーマンが女子高校生によって痴漢にでっち上げられそうになるというエピソードが前半に流れた。サラリーマン(オオハシ)は女子高校生(ゴリラ)に向かって「鏡見ろブス」と言う。またサラリーマンの同僚(トカゲ)は、オオハシがスマホでデリヘルのウェブサイトを見ているのを女子高校生に示し「こいつのスマホを見て下さい。素人JKには興味ないんです。プロのババアにしか反応しないんです。(だから痴漢はしていない)」と擁護する、オオハシは「人の性癖ばらすのやめてくれる?」と怒る、という場面だった。 また後半では、合コンに出席したオオハシ(男)が、相手側の女性がみんな可愛かったので遅れている最後の一人にも期待してい

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    sand_land 2019/10/11
  • 天皇個人への肯定と制度への否定が同居すること - やしお

    しばらく前にはてな匿名ダイアリーで「みんな無邪気に天皇を信仰していてびっくり」みたいな記事が上がっていた。改元前後の大晦日みたいな盛り上がり方や、前天皇(上皇)へのみんなのリスペクトを受けて書かれたものだった。 生まれによって数多くの自由が制限される制度があるのは変だ、でも改元自体は面白いイベントだし、上皇という個人については尊敬できる、という感覚が割と一般的なんじゃないかと思っている。アイドルみたいに追っかけてるとか、崩御したら後追い自殺しますといった人は少数派だろう。それで「天皇を信仰している」と言われると「宗教みたいに信仰してるわけじゃなくて、一人の人間としては尊敬しているってだけだよ」と多くの人が答えるんじゃないかと思うし、自分の実感としてもそうなっている。 このあたりのことを自分の中でもせっかくの機会だし(?)整理してみたいと思って。 天皇制の否定 天皇や皇族は基的人権が保障さ

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    sand_land 2019/05/06
  • 出口をふさいで人事権を握ると人が狂う - やしお

    財務省の文書改竄の話を見ながら、「出口をふさぐ」と「人事権を握る」を同時にやると、「正しいことをやる」より「人事権者に気に入られる(過剰な配慮や忖度をする)」を選ばざるを得なくなるんだ、みたいなことを思った。「出口をふさぐ」というのは、別に官僚をクビになったってアカデミックや民間でキャリアや実績を積み上げられるし、政権が変わればまたスタッフになれるかもといったパスがなくて、一度辞めたら二度と戻ってこれないといった出口のなさのことで、「人事権を握る」というのは2014年に設置された内閣人事局によって審議官クラス以上の各省庁の人事権が内閣に集約されたこと。 学校なんて行かなくても大丈夫、別に大学にも入れるしと思っている(親や周囲が思わせてくれる)子であれば大丈夫でも、そうでないと追い詰められて自殺してしまうのと似ているのかもしれない。 官僚は外部との流動性が低いというのは、日が「ポストに人を

    出口をふさいで人事権を握ると人が狂う - やしお
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    sand_land 2018/03/30
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