ローカル線ガールズ [著]嶋田郁美 [掲載]週刊朝日2008年02月22日号 [評者]永江朗 ■目がうるむ、ローカル線復活の軌跡&奇跡 「てつ」ブームである。鉄道マニア、通称「鉄ちゃん」。わが家の近くの踏切でも、ときどき鉄ちゃんの皆さんが高級一眼レフを構えている。それも、中学生から初老の紳士まで。 そんな鉄ちゃんたちから熱い視線を注がれているのが福井県のえちぜん鉄道である。前身は京福電鉄。半年間に正面衝突事故を二度も起こして運行停止になり、いちどは廃線になったものの、県と地元市町村による第三セクターとして甦った。バスでは代替しきれないことがわかり、住民から復活を望む声が強まったからだ。 この「えち鉄」には素晴らしい特徴がある。「アテンダント」の女性たちが乗務しているのだ。車掌ではなくアテンダント。乗降補助+観光ガイド+切符等販売がその仕事。というよりも、乗客を見守り、手伝い、安心感を与える