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  • 『「十二国記」30周年記念ガイドブック』 担当編集者のインタビューが面白かった! - ネコショカ(猫の書架)

    祝☆「十二国記」30周年! いまやシリーズ累計1,280万部を超える大ヒット作となった「十二国記」シリーズ。その第一作(というかエピソードゼロ)である『魔性の子』が世に出たのが1991年だ。従って「十二国記」シリーズは昨年の2011年で30周年を迎えていたことになる。 ということで、題。日ご紹介するのは2022年刊行の『「十二国記」30周年記念ガイドブック』だ。30周年なら去年出せばいいのに、と、無粋なことを突っ込んでしまうわたし。ってまぁ、いろいろ、事情があったのかな。 表紙の陽子主上は新潮文庫版『月の影 影の海』上巻で使われていたもの。背表紙の泰麒は『白銀の墟 玄の月』の第一巻で使われていたものだ。版型はこの類のガイドに多い、A5サイズとなっている。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) 「十二国記」の既刊をすべて読まれた方。「十二国記」に関するこ

    『「十二国記」30周年記念ガイドブック』 担当編集者のインタビューが面白かった! - ネコショカ(猫の書架)
  • 『この恋が壊れるまで夏が終わらない』杉井光 繰り返される夏休み最後の日 - ネコショカ(猫の書架)

    杉井光が描く、忘れられない夏の物語 2022年刊行作品。書き下ろし。作者の杉井光(すぎいひかる)は1978年生まれの小説家。第12回の電撃小説大賞で銀賞を取った2006年の『火目の巫女(ひめのみこ)』がデビュー作。多作で知られる人物で、これまでに三十作近い作品を上梓している。代表作は『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』『世界でいちばん透きとおった物語』あたりかな。 個人的な話だけど、ゼロ年代の後半から小説読めない病に10年くらい罹患していたので(たまになる)、この時期(2006~2015年くらい)にデビューした作家さんはあまり読めていなかったりする。ということで、恥ずかしながら、作が初の杉井光作品体験となのであった。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★★(最大★5つ) 夏を舞台とした切ない恋愛小説、青春小説を読んでみたい方。タイムリープ系、時間モノの作品に興味がある

    『この恋が壊れるまで夏が終わらない』杉井光 繰り返される夏休み最後の日 - ネコショカ(猫の書架)
  • 『レインツリーの国』有川浩 映画化もされたロングセラーの恋愛小説 - ネコショカ(猫の書架)

    有川浩、初の非メディアワークス作品 2006年刊行作品。有川浩(現在は「有川ひろ」)の六作目。自衛隊三部作(『塩の街』『空の中』『海の底』)、図書館戦争シリーズ(『図書館戦争』『図書館内乱』『図書館危機』『図書館革命』)と、デビュー以来、すべてメディアワークスから作品を上梓してきたこの作家にとって、初めての非メディアワークス作品であった。 レインツリーの国 作者:有川 浩 新潮社 Amazon 同時期に刊行されたメディアワークス刊の『図書館内乱』とは出版社の枠を越えたコラボレートが実現している。内容を考慮すると、作⇒『図書館内乱』と進んだ方が、ネタバレが回避出来るのでオススメ。逆の順番で読むと、ひとみの秘密が想像ついてしまうので、出来れば避けた方がいい。 新潮文庫版は2009年に登場。 レインツリーの国 (新潮文庫) 作者:浩, 有川 新潮社 Amazon その後、2015年に角川文庫か

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  • 『橡家の伝説』佐々木丸美「館」シリーズのセカンドシーズン - ネコショカ(猫の書架)

    日ご紹介するのは 佐々木丸美の「館」シリーズの外伝的な作品、『橡家の伝説』である。「館」シリーズについてもネタバレしているので、未読の方はお気をつけ頂きたい。 「伝説」シリーズの一作目 1982年刊行作品。『橡(つるばみ)家の伝説』は佐々木丸美としては12作目の作品になる。 作は講談社時代は文庫化されなかったので、その後しばらく、手に入れることが困難な時代が続いていた。 橡家(ツルバミケ)の伝説 作者:佐々木 丸美 講談社 Amazon しかし2007年にブッキングによる復刊版が登場。電子書籍化も行われ、現在では誰でも手軽に作を読むことが出来るようになっている。 ちなみに、橡は「つるばみ」と読む。橡の漢字は、「くぬぎ」でも「とち」でも変換できる。どちらの木の意味でもあるようだが、作ではいずれを意味しているのだろうか。「くぬぎ」は北海道には生えず、「とち」は北海道でも自生している模様

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  • 『トリプルプレイ助悪郎』西尾維新 JDCトリビュートの第二弾作品 - ネコショカ(猫の書架)

    コミック誌に連載されていた西尾維新作品 2007年刊行作品。西尾維新のJDCトリビュートシリーズの第二弾。講談社のコミック誌、月刊少年シリウスに2005年7月から2005年12月まで、連載されていた内容をまとめたものである。え?小説なのにコミック誌に連載?と突っ込みたいところだが、講談社的にもいろいろお家事情があるのだろう。 講談社文庫版は2010年に登場している。2003年に講談社ノベルスから刊行された『ダブルダウン勘繰郎』との合となっている。いずれもJDCトリビュート作品ということで、カップリングするにはちょうど良かったのだろうね。 ダブルダウン勘繰郎 トリプルプレイ助悪郎 (講談社文庫) 作者:西尾 維新 講談社 Amazon おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) 西尾維新も好きだけど清涼院流水のJDCシリーズも大好き!(最近はいないかもだが)な方。J

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  • 『隷王戦記3 エルジャムカの神判』森山光太郎 人の運命は、人が決める - ネコショカ(猫の書架)

    「隷王戦記」シリーズの最終巻 2022年4月刊行作品。『隷王戦記(れいおうせんき)1 フルースィーヤの血盟』『隷王戦記2 カイクバードの裁定』に続く、「隷王戦記」シリーズの完結編となる。 表紙イラストは引き続き、風間雷太(かざまらいた)が担当している。 当初の予定通り、きっちり全三巻で完結。「隷王戦記」シリーズ全巻の発売日とページ数をまとめるとこんな感じ。ページ数が後半になるにつれてものすごく増えている! 『隷王戦記1 フルースィーヤの血盟』2021年3月/340P 『隷王戦記2 カイクバードの裁定』2021年8月/400P 『隷王戦記3 エルジャムカの神判』2022年4月/480P 森山光太郎、当人による「隷王戦記完結に思うこと」はこちらから(ネタバレなし)。「初めてのシリーズものでの完結作品」ということなので、作者的にも感慨が深そう。って、つまり「イスカンダル王国物語」や「英雄讃歌」の

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  • もうひとつの『秒速5センチメートル』ノベライズ~one more side - ネコショカ(猫の書架)

    加納新太版の『秒速5センチメートル』ノベライズ 新海誠監督『秒速5センチメートル』のノベライズ小説については、以前に感想を書いた。こちらは監督の新海誠自身が手掛けたノベライズ作品であったが、『秒速5センチメートル』については、もう一冊全く別の視点から書かれたノベライズが存在する。 それが作『秒速5センチメートル one more side』だ。2011年刊行作品。映画公開と最初のノベライズ刊行が2007年であることを考えると、なんと四年も経過してからのリリースなのである。 映画版の衝撃的な結末は当時の鑑賞者たちの心を強く抉った(抉られた)。それだけ根強い人気があった映画であり、多くの人間にトラウマを与えてきた作品ならではの、再ノベライズであったのかもしれない。 ひとつの作品で、二作もノベライズを出せる作品はなかなか存在しない。こういう二毛作商売が出来るのも、新海誠作品がいかに人気があるか

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  • 「早川書房 夏の大感謝セール」電子書籍2000点が50%OFF~、おススメ24作品をセレクト - ネコショカ(猫の書架)

    「早川書房 夏の大感謝セール」がやってきた! つい先月、早川の夏のセールの情報をお届けしたばかりだけど、新たに「早川書房の夏の大感謝セール」が始まったので、ブログで紹介した作品の中から、おススメを24作をセレクトしてみた。 7月のセールは海外作品のみだったけど、今回は国内作品も対象になっています!夏休み中の方も多いかと思うので、これを機会に是非チェックしてみてください。 セール期間は2022年の8月25日(木)まで! 「早川書房 夏の大感謝セール」がやってきた! 『隷王戦記』森山光太郎 『復活の地』小川一水 『時砂の王』小川一水 『信長島の惨劇』田中啓文 『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字 『異常(アノマリー)』エルヴェ・ル・テリエ 『アディ・ラルーの誰も知らない人生』V・E・シュワブ 『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ 『こうしてあなたたち

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  • 『ラーゼフォン 時間調律師』神林長平 神林ワールド全開のシェアワールドノベル - ネコショカ(猫の書架)

    アニメ『ラーゼフォン』のシェアワールドノベル 2002年刊行作品。今は亡き徳間デュアル文庫からの登場。 作者の神林長平(かんばやしちょうへい)は1953年生まれのエスエフ作家。 『ラーゼフォン』は2002年に放映されたアニメーション作品。『エヴァンゲリオン』後に登場した「エヴァンゲリオン」的な作品の中では比較的判りやすく、わたし的には大好きな作品である(『ヘミソフィア』が名曲過ぎて、思い出すだけで泣ける)。 ラーゼフォン Blu-ray BOX 下野紘 Amazon 作はその世界観を用いたシェアワールドノベルである。この手のメディア連動企画に神林長平クラスのベテランが出てくるのは珍しいよね。いちおうカテゴリ名に「ノベライズ」と振ってしまったけど、正確にはアニメーションのノベライズでは無い。 ちなみにノベライズはMF文庫Jの方からちゃんとしたのが(大野木寛が書いている)出ているので注意が必

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  • 『ダブルダウン勘繰郎』は西尾維新のJDCトリビュート作品 - ネコショカ(猫の書架)

    「りすかシリーズ」「戯言(人間)シリーズ」「世界シリーズ」のレビューが一通り終わったので、日は西尾維新のこちらの作品をご紹介したい。 JDCトリビュート作品群のひとつ JDCシリーズは1996年刊行の『コズミック』に始まる、清涼院流水(せいりょういんりゅうすい)による一連のミステリ作品である。2000年代の前半に、このJDCシリーズの世界観を使って、さまざまな作家にトリビュート作品を書かせてみようという企画が存在した。 というわけで作はその中の一作。西尾維新、2003年の刊行作品である。 文庫版は2010年に登場。2007年に講談社ノベルスから刊行された『トリプルプレイ助悪郎』との合となっている。こちらももちろんJDCトリビュートの一作である。 ダブルダウン勘繰郎 トリプルプレイ助悪郎 (講談社文庫) 作者:西尾 維新 講談社 Amazon おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ

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  • 『暗い旅』倉橋由美子 鎌倉、東京、そして京都へ、失われた愛を求めて - ネコショカ(猫の書架)

    倉橋由美子の初長編作品 1961年刊行作品。最初の単行は講談社の系列会社であった、いまは亡き東都書房から。続いて1969年に学芸書林版の単行版が世に出ている。このあたりは、さすがに古すぎてAmazonでも書影が出ない。 最初の文庫版は新潮社から。こちらは1971年の登場。わたしが大昔に、最初に作を読んだのはこの版だ。 暗い旅 (新潮文庫 草 113B) 作者:倉橋由美子 新潮社 Amazon 1975年刊行の『倉橋由美子全作品』の第三巻にも収録されている。 倉橋由美子全作品〈3〉 (1975年)合成美女 暗い旅 輪廻 真夜中の太陽 100メートル 創作ノート3 Amazon そして、日ご紹介するのは2008年に刊行された河出文庫版になる。長らく入手が難しい状態だったのでこれは嬉しい。河出版では、1961年版の「作者からあなたに」、1969年版の「あとがき」、『倉橋由美子全作品』収録

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  • 『月の裏側』恩田陸 謎の連続失踪事件と「戻ってきた」人々 - ネコショカ(猫の書架)

    恩田陸によるホラー?作品 2000年刊行作品。幻冬舎発行の小説誌『PONTOON(ポンツーン)』に1998年10月号から1999年10月号にかけて掲載されていた作品を、加筆修正のうえで単行化したもの。 月の裏側 作者:恩田 陸 幻冬舎 Amazon 幻冬舎文庫版は2002年に刊行されている。解説は作家の山田正紀(やまだまさき)が担当している。 WEBの雑誌の恩田陸インタビュー記事によると、作『月の裏側』のオマージュ元は、ジャック・フィニィの『盗まれた街』なので、気になる方はこちらも要チェック! 水郷箭納倉(やなくら)のモデルは、福岡県の柳川市ではないかと思われる。 おススメ度、こんな方におススメ! じめっとしたこの季節に読むべき作品を探している方。水郷を舞台としたホラー作品を読んでみたい方。柳川が好き!という方。地方都市ならではの独特の空気感を味わってみたい方。ジャック・フィニィの『

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  • 『小説 秒速5センチメートル』新海誠版ノベライズに込められた「救済」 - ネコショカ(猫の書架)

    日紹介するのは、新海誠監督のアニメーション映画『秒速5センチメートル』の、ノベライズ版『小説 秒速5センチメートル』だ。基的にネタバレ全開の当Blogなので映画小説共にネタバレありとなる。 更に加えて、エントリでは『君の名は。』の結末についてもちょっとだけ言及してしまうので、未読の方は回避して頂ければと伏してお願いする次第。 ここからネタバレ いちおう『秒速5センチメートル』の説明を 『秒速5センチメートル』は2007年公開のアニメーション映画だ。『君の名は。』の大ヒットで、一般層への浸透度が著しく上がったのではないかと思われる、新海誠監督の第三作にあたる。圧倒的な映像の美しさと、切ないストーリー展開、残酷すぎる結末で当時の鑑賞者たちの、肺腑をえぐった恋愛映画である。 未視聴の方はここでエントリを読むのを止めて、いますぐチェック!。ただし、くれぐれもメンタルに余力のある時の鑑賞が

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  • 『ウェディングドレス』黒田研二 第16回メフィスト賞受賞作 - ネコショカ(猫の書架)

    黒田研二のデビュー作 2000年刊行作品。第16回のメフィスト賞受賞作品。 講談社文庫版は2008年に登場。ノベルス版が出てから八年もかけて文庫化されるのは珍しい。ふつうこれくらい間隔が空くと、文庫版は出さずにスルーされそうだけど、地道に実績を積み重ねて来たところが評価されたのだろうか。 ウェディング・ドレス (講談社文庫) 作者:黒田研二 講談社 Amazon ちなみにメフィスト賞の前後回、第15回の氷川透『真っ暗な夜明け』 、第17回の古泉迦十『火蛾』といずれも文庫化されておらず、メフィスト賞でデビューしたからと言って、まったくその先は保障されていないわけで、実力社会の厳しさを感じさせられる。 ちなみに、作者の黒田研二(くろだけんじ)は1969年生まれのミステリ小説作家。作でデビュー後、年1~2作ペースでコンスタントに新作を上梓しており、息の長い作家となっている。 特にホラーゲーム

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  • 『あいにくの雨で』麻耶雄嵩 雪の密室トリックと塔で起こる連続殺人 - ネコショカ(猫の書架)

    麻耶雄嵩のノンシリーズ系作品 1996年作品。最初に刊行されたのは講談社ノベルス版。作者の麻耶雄嵩(まやゆたか)は1969年生まれのミステリ作家。デビュー作は1991年の『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』。 メルカトル鮎シリーズ、木更津悠也シリーズ、神様シリーズ、貴族探偵シリーズなど多くのシリーズ作品を抱えている麻耶雄嵩だが、作『あいにくの雨で』は、そのいずれにも属さない、ノンシリーズ系のタイトルとなる。 あいにくの雨で (講談社ノベルス) 作者:麻耶 雄嵩 講談社 Amazon 講談社文庫版は1999年に刊行されている。わたしが読んだのはこちらの版。 あいにくの雨で (講談社文庫) 作者:麻耶 雄嵩 講談社 Amazon 2014年には集英社文庫版が登場している。現在読むならこちらの版だろう。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) 少年たちを中心に据えた

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  • 『歌の降る惑星』『うたかたの楽園』菅浩江の「センチメンタル・センシティブ」シリーズ - ネコショカ(猫の書架)

    菅浩江版ダーティペア?「センチメンタル・センシティブ」シリーズ 日は平成初期のライトノベル作品をお届けしたい。 菅浩江(すがひろえ)の「センチメンタル・センシティブ」シリーズは1990年~1991年にかけて、角川スニーカー文庫から刊行された作品群である。『歌の降る惑星(ほし)』と『うたかたの楽園』の二作。今回はまとめて両作品をご紹介する。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) 超能力を持った美少女コンビが活躍するライトノベル作品を読んでみたい方。バディモノがお好きな方。1990年代のスニーカー文庫作品に興味がある方。最初期の菅浩江作品を読んでみたい方におススメ。 ここからネタバレ 『歌の降る惑星』 1990年作品。菅浩江としては『ゆらぎの森のシエラ』『〈柊の僧兵〉記』に続く、三作目の長編作品。超能力者であるナツノと亜美の冒険を描いた作品で、この作家にしては珍

    『歌の降る惑星』『うたかたの楽園』菅浩江の「センチメンタル・センシティブ」シリーズ - ネコショカ(猫の書架)
  • 『ポップ1280』ジム・トンプスン 1960年代が舞台のノワール小説 - ネコショカ(猫の書架)

    2001年版「このミス」海外部門第1位 1964年に書かれた作品。原題は『Pop. 1280』である。最初の邦訳版は2000年に刊行されている。翻訳者は三川基好(みかわきよし)。 ポップ1280 作者:ジム トンプスン 扶桑社 Amazon ジム・トンプスン(James Meyers "Jim" Thompson)は1906年生まれのアメリカ人作家。スティーブ・マックイーン主演の映画『ゲッタウェイ』の原作・脚担当として有名かな。 ゲッタウェイ 日語吹替音声追加収録版 ブルーレイ [Blu-ray] スティーブ・マックイーン Amazon 多くの作品を残しているが、あまり日では作品が出ていない。90年代後半から、国のアメリカでも再評価の動きが高まっており、書は2000年に扶桑社から刊行されている。2001年版の「このミス」海外部門の第一位に輝いた作品である。 扶桑社文庫版は2006

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  • 『きみとぼくが壊した世界』西尾維新 「世界」シリーズ第三弾 - ネコショカ(猫の書架)

    「世界」シリーズの第三作 2008年刊行作品。『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』に続く「世界」シリーズ三作目。第四作としては『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』がある。 初出は「メフィスト」。今回、話としては別にどうでもいいんです的な内容。内容は無いよう。前回はチョイ役扱いに甘んじていた病院坂黒だが、今回はメインキャラとして登場している。 刊行から十余年を経ているが、シリーズが完結していないこともあってか、文庫化はされていない。講談社ノベルス版のみが存在する。 また、一作目『きみとぼくの壊れた世界』、二作目『不気味で素朴な囲われた世界』では講談社BOX版が刊行されていたが、作からはそれも無し。こういう意味の無い売り出し方はホントに辞めてほしい。講談社BOX版で揃えていた読者は激怒ものであろう。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大

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  • 『俺ではない炎上』浅倉秋成 Twitter炎上の怖さと「責任を取る」ということ - ネコショカ(猫の書架)

    浅倉秋成の2022年最新作が登場 2022年刊行作品。書下ろし。2021年に『六人の嘘つきな大学生』が大ヒット。ブレイクを果たした感のある浅倉秋成の第七作である。 表紙はスマートフォンの画面を模したデザインとなっている。しかもその表面のガラスがヒビ割れている。画像だけだとわかりにくいが、実際に触ってみるとこのヒビの部分が盛り上がった立体的なデザインで、かなり凝った仕掛けと言える。 ちなみに表紙カバーを外してみるとこんな感じ。作中で登場するTwitterの投稿を模したテキストが配置されている。 表紙カバーを取ったところ 双葉社の公式サイトはこちら 浅倉秋成のインタビュー記事もあったのでリンクしておく。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★★(最大★5つ) 冤罪モノ。読み始めたら止まらない、手に汗握る逃亡劇を読んでみたい方。Twitterでの炎上について、SNSの使い方について

    『俺ではない炎上』浅倉秋成 Twitter炎上の怖さと「責任を取る」ということ - ネコショカ(猫の書架)
  • 『とある飛空士への追憶』犬村小六 絶世の美姫との逃避行、「飛空士」シリーズの第一作 - ネコショカ(猫の書架)

    累計130万部超!犬村小六の出世作 2008年刊行作品。ネットで話題になったので購入(当時)。初めて読んだガガガ文庫は作だった気がする。作者の犬村小六(いぬむらころく)は1971年生まれのライトノベル作家。 ゲーム系のライターとしてキャリアをスタートし、2004年のノベライズ作品『Remember11 -the age of infinity-』で作家デビューを果たしている。ファミ通文庫時代はひたすらノベライズ要員として遇されていたが、2007年のガガガ文庫『レヴィアタンの恋人』で初めてオリジナル作品に挑戦。 続いて刊行されたのが『とある飛空士への追憶』から始まる、飛空士シリーズで、これまでに累計で130万部を超える大ヒット作となっている。 2011年にはアニメ映画化され話題となった。アニメ化に際して単行版が刊行されている。 とある飛空士への追憶 作者:犬村 小六 小学館 Amazon

    『とある飛空士への追憶』犬村小六 絶世の美姫との逃避行、「飛空士」シリーズの第一作 - ネコショカ(猫の書架)