ここ数年、懸案となっていた宇宙基本法が5月21日の参議院本会議で、自由民主党、民主党、公明党などの賛成多数で可決、成立した。8月27日までに施行されることとなる。福田康夫首相は6月17日、岸田文雄科学技術担当大臣を兼任で宇宙開発担当大臣に任命した。 主導権は官僚から政治家へ、政治家には理学系工学系の知識が必須に これまで、日本には宇宙分野での政策として何を行うべきかの理念を定めた基本法が存在せず、基本的には科学技術庁の流れを汲んだ文部科学省の官僚が、宇宙計画をコントロールしてきた。今回の宇宙基本法では、内閣に、宇宙開発戦略本部を設置して担当大臣を置き、政治が日本の宇宙開発をコントロールすることをを、理念の面でも組織の面でも明確にした。 政治による宇宙開発のコントロール――これが宇宙基本法のもっとも重要なポイントであり、最大の問題点でもある。すなわち、日本の政治家がきちんと宇宙に関して学び