滑脳症 ・疾患の概要 滑脳症(lissencephaly)は、脳の表面に脳回がなく平滑であることを特徴とする発達障害疾患.2つの遺伝的タイプにわかれ、17番染色体上のLIS1遺伝子に異常を有する常染色体優性遺伝病とLISX 遺伝子に異常を有するX連鎖劣性遺伝病がある.前者はLIS1遺伝子領域を含む染色体領域が欠失していることが多く、その場合特有な顔貌を呈するため、Miller-Dieker症候群(MDS)と言われる.欠失は染色体FISH法で迅速に診断できる.突然変異による散発例が多く、次子に遺伝する可能性がほとんどないため、出生前診断を必要とすることはまずない. ・臨床像 表面に脳回がなく平滑というモ滑脳モ所見は、通常MRIやCT検査で明らかにされる.MDS特有の顔貌所見とは、小頭、前額突出、前額性中部の背員上の隆起の陥凹(啼泣時に顕著となる).精神遅滞は重度で、難治性のけいれんもほぼ必発