昨年惜しくも亡くなった杉浦日向子氏は、前回紹介したインリン氏、雨宮処凛氏と同様、若いころフリーター生活をしていたことがあるそうだ。もっとも、杉浦氏(1958年生まれ)がフリーターをしていたのは1980年代後半で、インリン氏や雨宮氏がフリーターをしていた時代とはだいぶ違う。それにしても、杉浦氏のフリーター生活についての見方は、後の二人とは対照的である。『一日江戸人』(1998)の冒頭箇所で彼女はこう書いている のっけから私事で恐縮ですが、一九歳の夏から三年余り、私はアルバイターでした。短期のバイトを転々とし、ぶらぶらしていました。二週間働いて三週間ぶらぶらする。あるいは、一か月働いて二か月ぶらぶらする、という具合で、居候でもあり、月四万円もあれば、なんとか生活できたのです。その時、つくづく、多くを望まなけりゃ、けっこう呑気に暮らせるもんだなぁと実感し、べつだん、一生アルバイターでもかまわない
ところで、「ニート」は、働きもせず、また学校にもいかないもの、とされているが、そもそも江戸時代には、近代的な「学校」自体がなかったわけで、「学びからの逃走」もなにもない。とはいえ、江戸時代にも、武士のための「藩校」、また平民のための「寺子屋」などはあった。しかし、寺子屋は、明治以降の学校とはまったく違ったものだった。小熊英二の『日本という国』(理論者よりみちパンセ)には、寺子屋が現代の学校といかに違ったものであるかが書かれている。 寺子屋は、いまの小学校みたいに、一斉授業方式でもなければ、教育課程がきちんときまっていたわけでもない。(……)寺子屋は、随時入学、随時退学の場合がおおかった。年齢も七歳ぐらいで入ってくる者もいれば、十七歳くらいで入ってくる者もいた。(……)地方の寺子屋などでは、農業がわりあいひまなとき、「この子も寺子屋に行かせるか」と親が考えたら、それが一月であろうと十一月であ
Nicholas Carrの"MySpace peddles its eyeballs"というエントリーでは、 MySpaceは、現在バナー広告に収益を依存しており、膨大なページビューを効果的に現金化できていない よって、検索エンジンと提携し、クリック連動型の広告を導入し、効率を高めようとしている その膨大のページビューを獲得するために、MySpaceとの提携の権利を巡ってGoogleとMicrosoftが激しいつばぜり合いをくりひろげている MySpaceはアドセンスの支払い最低補償や現金前払なんて権利をかちとることもできるかもしれない なんてことが書かれている。 確かに、Googleの開示資料をみてみると In connection with our AdSense revenue share agreements, we are periodically required to ma
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すばらしき愚民社会 スポンサード リンク ・すばらしき愚民社会 不遇の学者が世の中に対して愚痴をしゃべっている本。ちょっと恨みがましくて、新橋の居酒屋に通じるものがある。内容は私の意見とは違うものも多かったが、自称知識人の矛盾や欺瞞を実名で暴きだして、バッサリ斬るのが面白かった。 ■すばらしき愚民社会 この本の批判する愚民とは、いわゆる一般大衆というよりは、大学教授や大学生、評論家などの知識人。 「 現在の「大衆社会」が、それまでのものと異なるのは、以前は「バカが大学へ入っている」程度で済んでいたものが、「バカが意見を言うようになった」点である。 」 本質的に民主主義とはバカの発言を認めること、なのだと私は思う。政治、経済、社会、技術や環境などについて特に専門知識がなくても、誰でも主観をベースに出来合いの知識で理論武装して、意見を作り出すことができる。それが社会人としてあるべき姿だとされ、
・ 企業としての「ライブドア」について ・ 「ライブドア事件」について ・ 「堀江貴文」という人物について ・ その他、ご意見・ご指摘等ありましたら、ご自由にご記入ください。 浅羽通明と申します。アンケートと寄稿のご依頼、ありがとうございました。 ご質問にある「ライブドア事件」ですが、この年明けに世を騒がせた堀江貴文氏逮捕につづく一連の騒動のみをさすのでしたら、当方はほとんど申し上げることはありません。裏社会との関係など事件の真相、全貌ともにまだまだわからない部分が多すぎますし、また違法行為のあれこれについての関心も当方にないからです。 しかし、「ライブドア事件」が、一昨年秋のプロ野球球団買収をめぐる騒ぎから、昨年初めのフジテレビ乗っ取り騒動、著作ほかメディアを通しての堀江氏のさまざまな挑発的発言、その波紋としての「勝ち組」論議に素人のネット株取引の過熱、そして今回の逮捕へ到る一連の騒ぎを
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