「1989年」はテレビの大きなターニングポイントとなった年だ。 特にバラエティ番組においてそれが顕著だった。 象徴的なのは『オレたちひょうきん族』(フジテレビ)の終了だ。 ビートたけしは映画監督として『その男、凶暴につき』を公開。彼のクリエイティビティを発揮する場が映画に移っていった。 明石家さんまは前年に結婚した大竹しのぶとの間に長女がこの年に誕生。一時的に仕事をセーブし、数少ない「低迷期」に入った。 タモリは『今夜は最高!』(日本テレビ)が終了。『笑っていいとも!』(フジテレビ)の「マンネリ」批判と相まって「つまらないもの」の象徴になっていった。 こうして「BIG3」世代が一時的とはいえ、バラエティの世界で一歩後退した年、台頭したのがとんねるずや「お笑い第3世代」の面々だ。 ダウンタウンとウッチャンナンチャンは『いいとも』レギュラーに抜擢。前年から始まった『夢で逢えたら』(フジテレビ)