猛暑が予想される今年の夏。暑さが本格化すると、子供を連れてプールへ行くこともあるだろう。そうなると心配なのが、予期せぬ水の事故だ。 そこで、赤十字水上安全法指導員の資格を保有し、10年にわたってプール監視員を務めた経験もある水難学会会長の斎藤秀俊氏に、プールでの子供の水難事故を防ぐ方法を伺った。まずは斎藤氏自身が遭遇した事故の実例について、ご紹介しよう。 筆者が見た、プールでの水難事故のリアル 「子供が溺れた!」 プールの救護所の室内に響き渡る声。その声が発せられた方向を見ると、大学生アルバイト監視員の両腕にぐったりとした女の子が。監視員は晴天の屋外から救護所に入るところだったので、抱きかかえられた女の子は彼の陰に入り相対的に暗かった。でも瞬間的に「学齢期前か?」と感じた。 「静かに寝かせて」と監視員に伝えて、床の上に女の子を横たわらせた。すぐに意識の確認を実施。「名前は? 自分の名前は言