国家主権という虎の尾を踏む フェイスブックは、仮想通貨「リブラ」の発行を延期すると10月23日に発表した。 マーク・ ザッカーバーグCEOは、米国議会で証言し、(個人情報の漏えいなどに対する)アメリカ規制当局の懸念を解消するまで、全世界で「リブラ」を発行しない考えを示したのだ。 実はこのような事態は、「2020年前半の発行を計画」していると発表した2019年6月時点から予想されていたことである。 筆者が執行パートナーを務める人間経済科学研究所・代表パートナー有地浩の研究レポート「フェイスブックの仮想通貨『リブラ』は潰される」で述べられた内容が、まさに現実となったわけだ。 論点は、「リブラ発行というのは各国政府の『通貨発行権』という聖域に土足で踏み込む行為であり、絶対に許されるはずがない」というものだが、筆者もまったくその通りだと思う。 米国は世界最大の軍事力を誇るが、核ミサイルや最新鋭の戦