業務はどこまでオンラインで済ませればいいのか。経営学者の楠木建氏は「それを判断するのがセンスだ。センスとはスキルではないもの。プロ経営者が数億円を稼げるのも、そのセンスにそれだけの価値があるからだ」という——。(後編/全2回) 業務のオンライン化を決めるためのセンス 「決定事項の伝達がメインだし、オンライン会議でいいか。いや、待てよ。参加者は年配者が多いし、少しディスカッションしたい議題もあるから、リアルに集まったほうがいいか……」 自粛期間中にテレワークが一気に普及し、オンラインとオフラインの併用が一般化しました。業界によっては、オンラインのほうが日常業務、オフラインが非日常となっています。 こうしたハイブリッド型の働き方が定着したら、「この業務はオンでいくか、オフでいくか」と判断に迷う場面は増えるでしょう。 もしリアルの会議を開いたら、参加者から「こんな内容ならオンラインで十分だった。