多くの人が「価格にこだわる」間違いを犯している 交渉のときは、ほとんど誰もがお金にこだわる。買い手はできるだけ安く買おうとするし、売り手はできるだけ高く売ろうとする。 だが、価格にこだわることこそが、交渉において多くの人が犯しがちな間違いだ。価格だけにこだわると、交渉の対象になりえる選択肢を、自ら狭めてしまうことになる。 「大筋では合意できましたから、後は価格面だけですね」といった交渉の進め方をすると、合意はまず見えてこない。なぜなら価格以外のものごとが、すべて交渉の選択肢から排除されてしまうからだ。交渉のポイントがひとつに絞り込まれてしまうと、状況は綱引きと同じになる。どちらか一方が得をすれば、もう一方はそれと同じ分だけ損をする。 だが交渉の対象になりえるポイントをできるだけ多く見つけて、交渉の選択肢として残しておけば、こうした事態は避けられる。 家を買うときも、価格だけに固執する必要は