不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 前回書評を書いた、山口昌伴さんの『台所空間学』を読んで感じたことをもう1つ。 それはいまコンピュータ関連の分野では話題になっているクラウドが、実は食文化においてはとっくに実現されているということである。 今更いうまでもなくクラウドコンピューティングにおいては、ユーザーは自分が所有するクライアント側には最低限の環境をもつだけで、必要なサービスはネットワーク(インターネット)経由で利用する形態となるが、それが実は食の分野においてはとっくに実現されてしまっているのだということに気づいて唖然としたのだ。 クラウドクッキングすでに紹介したとおり、かつての台所は日々の食事のための調理をする場というだけでなく、勝手口の裏は畑や鶏の買われた庭とつながった生きたままの食材を保管する貯蔵庫でも