【今週はこれを読め! エンタメ編】明るく前向きな気持ちになれる連作短編集〜凪良ゆう『わたしの美しい庭』 文=松井ゆかり 現在最も書店員から熱く支持される作家のひとりである凪良ゆうの新作。...というのが誇張でもなんでもないことを、私は先日実感した。それは先週1月31日の夜、東京・渋谷の大盛堂書店で行われたイベント「渋谷の書店員3人による2019年下半期文芸書ベスト3と、小説家・凪良ゆうさんについて語る。」でのこと。2時間ほどのイベントの後半部分を費やし、大盛堂書店店長をはじめとする渋谷にある書店3店の書店員+『流浪の月』『わたしの美しい庭』それぞれの出版社の編集・営業担当者が登壇され、凪良作品の魅力が余すところなく語られた。実はイベントの冒頭から客席の後方にひっそりと座っておられた凪良さんご本人が、最後の最後にサプライズゲストとして登場されるといううれしい趣向も。もし私が作家で、自分の作品