大正十二年度の京都帝国大学法学部の入試問題のなかから英語の問題を紹介する。270語程度の時事に関する英文を和訳するだけの問題である。 はじめに 大正十二年度(1923年)の京都帝国大学法学部の入試問題のなかから英語の問題を紹介する。 当時の帝国大学は基本的に旧制高等学校を卒業したものを無試験で受け入れた。ただし、入学希望者が多い場合、選抜のための入学試験をおこなうことがあった。京都帝国大学の法学部は、東京帝国大学の法学部ほど人気がなかったので、入学試験をおこなうことはほとんどなかった。 青葉学人という人が1935年(昭和十年)に書いた『帝国大学入学受験法』(大同館書店)の372ページの記述によると、京都帝国大学の法学部は大正十二年と昭和五年のみ入学試験をおこない、それ以外の年は入学試験をおこなわなかったそうだ。 英語では、英文和訳が出題された。訳す対象として与えられた文章は以下の通りである